2014年4月~

4月始め

 

1月以降、私にツシマヤマネコのリサーチをさせる、と言い始めていた××が、

「一緒に対馬へ行こう」と言ってくる。正気を疑うが、本当にツシマヤマネコのこと、具体的に言えば、ツシマヤマネコの個体差や遺伝、DNAについて実験研究をするのなら、現地には行っておかなければならないと考え、了承する。

対馬で初めて聞かされたが、教官は私に「ツシマヤマネコの個体ごとの模様についてスケッチをしてパターンを調べて」研究をさせるつもりだと言う。そして、「この人はDNAのこととかはできないから」と、対馬の研究所の方々に私について紹介する。会う人ごとに「この人はDNAのこと(つまり、DNAを扱う細かい実験)はできない」と紹介してくれた。

 

そして「まずはツシマヤマネコを描けるように練習しないといけない」と言う。「まずはお絵描きの練習からしないといけないね」と言われた。

つまり、ツシマヤマネコの個体ごとの模様についてスケッチして研究成果を得たい、私に博士号を取らせるために一生懸命考えたがそれが良いと思った、と言う。ツシマヤマネコの毛並みの模様のスケッチで博士号を取らせようと思っていたらしい。スケッチさせようというツシマヤマネコは国の天然記念物であり絶滅危惧種Ia類であるというその扱い上、すべて日数が経過した死体(ほとんどが事故死体)を冷凍保存してあるものであり、状態が良好とは言えず、特に毛並みの模様のスケッチには非常に向いていない。

 

研究室が狭くて机が置けない、というので、研究室から離れた研究科棟の別室(他にも留学生の大学院生が何人か机を置いていた)に机を用意してもらう。

この頃、研究室の実験室にもう入らなくていいと言われる。

実験室には実質的に入れてもらえないし、教官からの連絡もなく、することが全くなくなり、大学に行く意味がわからなくなる。

研究室に行ってみたとき、予算がとれなかったとかで騒いでいた。

「■■さんにツシマヤマネコのことで本を書いてもらってその印税で……」と言っている。冗談なのだろうと思ったが、自分は、あげつらわれ、笑われ、酷くバカにされたように感じ、酷く不愉快になった。

 

本当に、自分にPCRも細胞培養もその他実験も、させるつもりがないと、痛感する。

入学前はあんなにレトロウイルスの役割の面白さやDNAについて語っていた人が、

何の根拠もなく、わたしがそういうことに関する実験研究には向いていない、と言い切る。

 

新しい研究を求めて挑戦したつもりだったが、根拠のない言いがかりとしか思えない暴言、退学しろ、不器用で段取りが悪いから実験はするな実験器具も触るな、などと指導者という立場を利用した嫌がらせ、圧力を受けるのみになった。

この教官の下では自分はまともな実験研究、研究活動はできないだろうと強く思う。

なお、結局、指導らしい指導は、一切受けていない。